親が無意識にやりがちなNG行動
はじめに
「うちの子、背が低い気がする」「ちゃんと食べてるのに伸びない…」
息子が小学5年生まで、私はそんな不安を抱えながら、毎日子育てをしていました。
私の息子は遺伝身長は小学生になっても周りとの身長差がびっくりするぐらいあり、小学に進学したら身長もきっと伸びるだろうと考えてました。
しかし、一向に身長は伸びる気配はなく小学5年生までは成長曲線の-2SDラインをなぞる成長でした。
身長について色々調べ出したのがその頃で、実は、親が“良かれと思って”やっている行動 が、
知らず知らずのうちに 身長の伸びを悪くしてしまう ことに気が付きました。
もちろん、私としてはどれも“悪気ゼロ”でした。
だけど、科学的には「成長にブレーキをかける」要因だった…というものが少なくないのです。
今日は、身長に関する研究をもとに 「身長の伸びを悪くするNG習慣」 を、親の目線で、会話調でわかりやすくお伝えします。
もっと早く知っていればという情報ですので、皆さんもぜひ参考にしてみてください。
1. 「たくさん食べれば身長は伸びる」と思い込んでいる
「我が子は食欲旺盛だし、大丈夫。いっぱい食べてるからいつか伸びる」
と思い込んでました。
でも実際は、食事の“量”だけでは身長は伸びません。
研究では、身長を左右するのは “栄養の質”と“ネット栄養(=成長に回せる実質的な栄養)” だとされています[1]。
食事に身長に必要な栄養素、例えばタンパク質や亜鉛、鉄といったものが含まれていないと骨の成長を促すことが出来ません。
そして、たとえ食べていても、
睡眠不足や病気の多さ、ストレス、不衛生な生活環境などで栄養を消耗していれば、
身長に回る“エネルギーの余裕”が失われてしまいます。
つまり、
「食べている=伸びている」ではないのです。
栄養が十分でも体調管理が不十分だと成長に繋がらないため注意が必要です。
2. 「睡眠はまあまあ…だけど、元気だから大丈夫」と思っている
「寝るのが少し遅いけど、朝は普通に起きるし問題ないかな。」
私は息子の睡眠時間の管理はしているけど、睡眠の質についてはあまり考えていませんでした。
実は成長ホルモンの分泌は睡眠の質と深さに強く依存しています[2]。
特に入眠後の深いノンレム睡眠(slow-wave sleep)は成長ホルモンの分泌のピーク。
入眠直後はいわば“睡眠のゴールデンタイム” になります。
夜遅くまでゲームやテレビをして、興奮状態の就寝につくような生活だと、“睡眠のゴールデンタイム” を逃す可能性があります。
例えば、鼻詰まりで寝苦しそうにしているとか、部屋の温度が寝苦しい温度になっていると睡眠の質を下げてしまいます。
睡眠時間だけでなく、睡眠の質にも注意を払いましょう。
3. 「運動させすぎ / 運動させなさすぎ」になっていない?
「運動すれば背は伸びる。スポーツクラブに週5日通わせよう。自宅でもトレーニングに励んでもらおう!」
確かに運動をすれば身長にプラスになります。
しかし、
激しすぎる運動は成長板にストレスを与える 可能性が報告されている一方、
運動不足は骨成長の刺激が弱くなる という両面が指摘されています[3]。
つまり大切なのは“運動なバランス”。
- 過度なジャンプや過密トレーニング
- 高負荷な筋トレ
- ゲームやスマホ中心の生活でほぼ運動ゼロ
30分以上の全身運動が成長ホルモンの分泌を促す研究結果もありますので、毎日の運動は重要ですが、
逆に過度なトレーニングも成長に悪さをしますので注意が必要です。
今、運動をしてなくて何から始めたら良いか分からない方は、私としては縄跳びがおすすめです。
縄跳びは、過度なトレーニングにはなりませんし、ジャンプ運動で筋力や心肺機能を高めることができ、なおかつお手頃でどこでも出来ます。私の息子も毎日やっています。
4. 「身長は遺伝だから仕方ない」とあきらめていない?
「背が低いのは遺伝だから…しょうがない。」
私の母が身長が低かったため、息子の身長が低く推移しているのも母の遺伝だと考えていました。
確かに身長は遺伝の影響を受けます。
しかし、 環境要因が“遺伝の持つ身長ポテンシャル”を大きく左右する という研究結果もあります[4]。
実際、
- たんぱく質の質
- 生活リズム
- 感染症頻度
- 睡眠
- ストレス
などの改善で、“遺伝の限界より高い” 身長に到達したケースはいくらでもあります。
遺伝はスタート地点であり、ゴールではないのです。
身長のために出来ることはありますので、遺伝と言って諦める必要はありません。
5. 「成長曲線を気にしない」
成長曲線に身長をプロットしたことはありますでしょうか。
息子の小学校の身体測定カードには裏表紙に成長曲線がプリントされてますので、毎回成長曲線に身長と体重の測定結果をプリントしていました。
成長曲線は“将来の伸びしろ”を知るための重要な指標です[5]。
成長曲線が
- −1.5〜−2SD 付近で推移
- 年々ゆっくりと低下
- 曲線が“寝ている”状態
これらは「成長にブレーキがかかっているサイン」になります。
私の息子は-2SD付近で推移して、成長ホルモンが出てないのでは?と思い病院に行き診察を受けることになりました。
成長曲線にプロットして早期に気づくほどリカバリーすることが出来ます。
何かしらの原因が病院で特定できれば医療保険での治療が可能になります。
気にしすぎは良くありませんが、気にしなさすぎは治療の機会を逃してしまうので学校での身体測定結果が出たら成長曲線にプロットすることをお勧めします。
6. 「幼児期の“小さなサイン”を見逃してしまう」
たとえば…
- 乳幼児期に風邪や感染症が多い
- 食が細い
- 便秘がち
- 疲れやすい
- 睡眠が浅い
- アレルギー体質
これらは、研究で
“将来の身長に影響する幼児期の環境指標” とされています[6]。
幼児期は「身長のゴールデンタイムの前」の準備期間になります。
幼児期は栄養を成長に回すことが重要な時期ですが、体調が優れてないと栄養を成長に回すことが出来ません。
私の息子もひどいアレルギー体質で、牛乳、乳製品、小麦粉、大豆、卵にアレルギー反応を示していました。
病院に通院して、今では生卵だけアレルギー反応は出ますが、それ以外は改善しています。
しかし、幼児期に食物アレルギーがあったため栄養の偏りがあったことで身長が低くなっていたと今では考えています。
従いまして幼児期のつまずきは、あとで伸びにくい体質につながる可能性があります。
お子さんが体調不良になる回数が多かったり、睡眠が浅かったりとした場合には身長のために改善するようにしましょう。
7. 加工食品がメインになっている
忙しい日々の中で…
- 揚げ物
- ファストフード
- 菓子パン
- 加工肉
- 清涼飲料水
こうした食事が“たまに”のはずが、“日常”になっている家庭は多いもの。
しかし、研究では
身長が伸びる国と伸びない国の差は“たんぱく質の質”と“微量栄養素の充実度”で説明できる
という結果が出ています[7]。
加工食品中心の食生活では、背を伸ばす材料が足りません。
特に共働き世帯の方は、食事もついついお手軽な加工食品が多くなってしまうと思います。
実際、我が家も共働きなので毎日の食事準備が大変なため、加工食品が多くなってしまってました。
そこで、菓子パンやジュースといった栄養が少ない飲食物は買わないようにし、冷凍の惣菜や果汁100%のジュースなどなるべく栄養が摂取できる飲食物を買うようにし、補助としてサプリメントを服用してもらってます。
また、チーズも毎日欠かさず食べさして、カルシウムの補充をしています。
栄養価の高い食事を毎日提供するのが難しくても、工夫次第で改善はできますのでこの辺りは別の記事に書きたいと思っております。
まとめ:
親ができることは「小さな改善の積み重ね」
身長は日々の生活習慣の積み重ねで、確実に伸びやすくなります。
- 質の良い栄養
- 十分な睡眠
- バランスの良い運動
- 病気を減らす衛生環境
- 成長曲線のチェック
- 幼児期の小さな体のサインに気づくこと
これらを少しずつ整えていくだけで、子どもの「成長ポテンシャル」は確実に引き上げられます。
📚 参考文献
[1] Perkins JM, Subramanian SV, Davey Smith G, Özaltin E.
Adult height, nutrition, and population health.
Nutrition Reviews. 2016;74(3):149–165.
👉 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4892290/
[2] Van Cauter E, Plat L, Copinschi G.
Endocrine physiology in relation to sleep and sleep disturbances.
(成長ホルモン分泌と睡眠ステージに関するレビュー)
👉 抄録:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0022347696700082
[3] Malina RM, Bouchard C, Bar-Or O.
Growth, Maturation, and Physical Activity. 2nd / 3rd ed. Human Kinetics.
(成長・成熟と運動に関する包括的テキスト)
👉 書籍情報:https://books.google.com/books/about/Growth_Maturation_and_Physical_Activity.html?id=4g9ongEACAAJ
[4] Silventoinen K et al.
Genetic regulation of growth in height and weight from 3 to 12 years of age: A longitudinal study of Dutch twin children.
American Journal of Human Biology. 2007.
👉 PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17564525/
[5] World Health Organization (WHO).
WHO Child Growth Standards – Length/height-for-age.
(身長Zスコアを用いた乳幼児成長評価基準)
👉 https://www.who.int/tools/child-growth-standards/standards/length-height-for-age
[6] Black RE et al.
Maternal and child undernutrition and overweight in low-income and middle-income countries.
The Lancet. 2013;382(9890):427–451.
👉 本文(HTML):https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(13)60937-X/fulltext
[7] Millward DJ.
Interactions between growth of muscle and stature: nutritional sensitivity of growth to dietary protein.
(身長と筋肉成長・たんぱく質摂取に関するレビュー)
👉 PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33668846/



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