はじめに
身長がぐんと伸びる時期を知りたくて、
「PHV(ピークハイトベロシティ)」という言葉を調べた人は多いと思います。
私自身、子供の身長の予測が出来ないか色々調べてこの言葉に出会い、色々調べた経緯があります。
ちなみにこちらのWEBサイトでは実際にPHVを計算することが出来ます。
計算するには座高の入力が必要になりますが、最近は学校では座高の測定を行わないのでご自身で測定が必要になります。
このPHVとは、
1年間で身長が一番伸びる瞬間(スパート) のこと。
しかし、
「今PHVに入ったかどうか」「いつピークが来るか」を
PHVで予測することはどれくらい理にかなっているのか?
というと、結論は “半分YES、半分NO” です。
この記事では、PHVがどこまで役に立ち、どこからが限界なのかを、
最新研究と成長データの仕組みからわかりやすく説明します。
PHVが“理にかなっている”と言える理由
PHVには、科学的に妥当な部分があります。
① 子どもは誰でも「成長スパート」があるため
多くの子どもは思春期の前後に一気に背が伸びる“ピーク” を経験します。
- 男の子:平均12〜14歳
- 女の子:平均10〜12歳
この“ピークが存在する”という事実そのものは科学的に確かです。
私自身も13歳から14歳にかけて年間で10cm以上の身長の伸びのピークを経験していますので非常にPHVについて納得しています。
中学時代にグンと身長が伸びて、高校に入ると伸びが減速しました。
PHV自体の研究でも同様の報告がされていますので、成長スパートを経験している方は多くいることになります。
② 身長の伸びをグラフ化するとPHVがはっきり現れるため
研究では、子どもの身長を
- 毎月
- 半年ごと
の高頻度で記録すると、
どこかで急に傾きが大きくなる(=伸びるスピードが上がる)
という特徴が見えます。
これは数学的にも分かりやすい現象で、
年間伸び率(cm/年)が最大になる=PHV
として理論的に算出できます。
③ PHVは“思春期のタイミング”と強く関連しているため
PHVの直前には
- 声変わり(男児)
- 初潮(女児)
などの思春期サインが現れます。
つまり、
体のホルモン変化とPHVは連動している
という意味で、PHVは成長のピークを把握するための“理にかなった目安”といえます。
PHVを“予測する”となると話は別。限界も大きい
ここが重要なポイント。
✔ PHVは「未来を予測するツール」ではなく「成長後に“振り返って”確認するツール」
として作られた指標です。
つまり、PHVは「予測」より「回顧」に強い指標です。
理由を解説します。
① 成長が終わって初めて“正確に”PHVがわかるため
PHVは、実際には以下の手順で求められます:
- 1〜2年以上の身長データを集める
- グラフを滑らかにする数理モデルを使う
- 身長の伸び率が一番大きい点(最大値)を計算する
つまり、
成長が終わった後にしか、正確なPHVは出ない という仕組みです。
② 年に1回の学校測定では精度が大きく落ちるため
日本の学校は年1回または2回の測定。
しかしPHVは“1年間でどれだけ伸びたか”を計算する指標なので、
データが粗いと予測がズレます。
データ間隔が大きいほど、PHVの誤差は大きくなる。
これは多くの研究で示されています。
③ 思春期の個人差が大きく、予測が困難なため
PHVは思春期と連動しますが、思春期は
- 早く始まる子
- 遅く始まる子
- 急に来る子
- ゆっくり進む子
など本当に個人差が大きい。
同じ学年でも2〜3年違うことも普通です。
④ “見た目の変化”と身長のピークは一致しないことも多い
「声変わり=PHVのピーク」
「初潮=ピーク後」
など大まかな傾向はありますが、
完全に一致するわけではない のが現実です。
では、PHVはどう使うのが正しいのか?
結論はこうです。
PHVは“ピークの予想”よりも“今の成長がどんな段階かを大まかに把握する”ために使うと理にかなっている。
PHVでわかること
- だいたいの成長ステージ
- 伸びている時期か、落ち着いている時期か
- 思春期が近いかどうか(大まかに)
PHVではわからないこと(予測は難しい)
- 具体的にいつPHVが来るか
- 何cm伸びるか
- 将来の身長を正確に予測すること
これらはPHVの本来の用途ではありません。
学校が「座高測定を廃止した理由」もPHV問題と関係がある
実はPHVの限界と似ています。
理由①:役立つデータではなかったため
座高は
- 姿勢
- 体の特徴
- 骨格バランス
が反映されるだけで、
成長や健康とほぼ無関係
という科学的結論が出ました。
理由②:身体の“個性”に不要な評価を生んだため
「座高が高い → 足が短い」
など偏見の原因になりかねなかったので廃止されました。
理由③:成長をみるには“身長の推移”だけで十分
現代の研究では、
- 身長
- 体重
- 成長曲線(SD帯)
があれば成長ステータスは十分判断できることがわかっています。
座高は、業務負担のわりには得られる情報が少なかったのです。
まとめ ― PHVは“理にかなった指標”であり、万能ではない
PHVが理にかなっている理由
- 成長スパートは誰にでもある
- 思春期と連動している
- グラフ化すると変化がわかりやすい
PHVの予測限界
- 正確なPHVは後からしかわからない
- 年1〜2回の測定では誤差が大きい
- 個人差が大きく予測は困難
結論
PHVは“未来の予測ツール”ではなく、“今の成長ステージを知るツール”として使うと理にかなっている。
結局、最も正確なのは骨のレントゲンと血液検査になります。
一方で身長についての成長ステージが気になる方にはある程度の有効なツールだと思います。
PHVの結果から成長ステージをある程度把握出来れば、親としてはある程度の身長に対する判断材料になります。
身長についての取り組みは、やり直しのできない一発勝負の取り組みになります。
従いまして、まだ病院などで検査を受けていない方にとってはPHVからお子さんの成長ステージを把握することは最も取り組みやすい測定になります。
ここで現状を把握することで打つべき手が決まってきますので低身長で悩んでいる方は一度計算してみることをお勧めします。



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